コラム

2020.11.21

弁護士の選び方をめぐるあれこれ

よい弁護士とは

弁護士の供給量が高まってくると当然依頼者の方が弁護士を使ってやっているという意識になるものです。そうなると自分の意のままに動く弁護士がよい弁護士ということになりそうです。
しかし、弁護士を依頼するのは、弁護士だけが代理人として法廷に立てるからという理由だけではないでしょう。一番の理由は弁護士の知識や経験を生かして、法律問題を解決したいということのはずです。
だから、自分の意見をどこまでも尊重してくれる(というよりも従ってくれる?)弁護士がよい弁護士とはいえないのです。

自分の意向を伝える

一方、弁護士の指示に従うまま、自分の意向とはどんどんかけ離れた事件処理がなされるのをじっと我慢していることも間違っています。弁護士に対する遠慮から自分の意見を言えずにいると、結局、不満だけがたまってしまい、何のために弁護士を頼んだのか、誰のための弁護士なのか分からなくなります。

共に考え、寄り添ってもらえる

理想は、共に考え、共に歩んでくれる弁護士でしょう。弁護士から厳しい指摘を受けることも大切なことですし、弁護士に対してはっきり自分の希望を伝えて、できるだけその意向に沿ってもらうことも必要でしょう。依頼者と弁護士との間の信頼関係が最も大切なのです。

愛がなければ

聖書に、何を語っても愛がなければ銅鑼の音と同じだという一節があります。弁護士が雄弁にまくし立てても、依頼者のことを親身に思ってのことでなければ全く意味がありません。弁護士があなたのことを思って言ってくれているのか、事務的に言っているのかは、弁護士と正面から向き合って相談すれば自ずと分かるはずです。学歴があっても、年齢が若くても、経験がたっぷりあっても、愛がなければだめだと思います。もちろん、愛だけでもだめなのですが……。